肝臓内科

健康診断の血液検査などで、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの上昇を指摘された場合は、肝臓に何らかの異常(肝障害)が起こっている事が疑われます。当院では血液検査、腹部超音波検査により以下の様な病気を鑑別し、治療します。

ウイルス性肝疾患(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど)、脂肪肝(単純性脂肪肝、MASLDなど)、アルコール性肝障害、自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など)、 薬剤性肝障害

  • B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎:肝障害の程度、B型肝炎ウイルスの血中の量などを評価し、ウイルス増殖を抑制する核酸アナログ製剤による治療を開始すべきか検討します。
  • C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎:数か月間の内服治療により90%以上の方でウイルス駆除が期待できます。どの薬剤により治療開始すべきかを検討します。
  • 近年、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの代謝異常に関連する脂肪性肝疾患(Metabolic dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease:MASLD)という新しい疾患概念が提唱されました。MASLDは肥満をベースとしておこる単純性脂肪肝とは異なり、肝硬変へ進展したり、肝細胞癌を発症するリスクがある事が指摘されており、甘くみては危険な病態です。糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの代謝異常の治療をしながら、肝障害を改善させるための治療を検討します。
  • 自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など)とは、免疫の異常により自分の肝臓を攻撃し発症する病気です。自己免疫性肝炎にはステロイドホルモン、原発性胆汁性胆管炎にはウルソデオキシコール酸内服などによる治療が奏功します。

健診などで腹部超音波検査において肝腫瘍を指摘された場合には、以下のような病態を鑑別する必要があります。

良性肝腫瘍(肝血管腫、肝嚢胞など)
悪性肝腫瘍
 原発性肝癌(肝細胞癌、胆管細胞癌など)
 転移性肝癌(胃癌、大腸癌、膵臓癌、肺癌などの転移)

当院で腹部超音波検査を再検の上、基幹病院を紹介し、造影MRI検査、造影CT検査などにより診断を確定します。